2013年10月27日日曜日

bo en インタビュー




2013年9月にリリースされたロンドンのプロデューサー、bo enの1stアルバム『Pale Machine』


TrapやJersey Clubといった新しいビートの要素も取り入れながら、
楽曲は自身の多重ボーカルをメインとしたひねくれポップ。伸びやかなメロディーと、カタコトの日本語詞も最高にキュートな、すばらしいアルバムでした。



参加型コンピ企画『FOGPAK』でbo en名義としてのデビューを飾り、
1stアルバムもMaltine Recordsからリリースと、日本との縁も深いbo en。彼自身、以前から本格的に日本語を勉強しており、大の親日家です。

今回はそんなロンドンのポップ王子、bo enにインタビューしました!

1stアルバム『Pale Machine』のことはもちろん、
さまざまなジャンルから受けた影響について、また、別名義"Calum Bowen"でゲーム音楽を作るようになった経緯や、日本の音楽への愛情まで、いろいろ語ってくれています。

(*このインタビューは英語で行い、ぺちこさん @mpecci515 の協力で日本語に翻訳しました)

2013年9月8日日曜日

bo enディスコグラフィー





9月6日にMaltine Recordsからリリースされた

bo enの待望のファースト・アルバム、『Pale Machine』





子守唄のようなポップなメロディーと、Jersey Clubなども取り入れた現代的なビート。
日本語まじりで朗々と唄うbo en本人のボーカルと、目まぐるしく変化していく展開。

多彩な要素が混じりあった「内向的で過激なポップ・ミュージック」。
このアルバムの収録曲を時系列で振り返りつつ見ていきたいと思います。


bo enのゲーム音楽名義、calum bowen

Calum Bowen








bo enのもう1つの名義、ゲーム音楽クリエイターとしてのCalum Bowen。

別名義というか、本名っぽいし、こっちが本業なのですね。
Bandcampでは現在までに2枚のアルバムを発表しています。


2013年9月7日土曜日

FactmagのFRIENDZONEインタビューの和訳 (後編)

米音楽メディアFactmagのFRIENDZONE最新インタビュー、前回の前編に続き、後編も和訳しました。

間もなくリリースされる、最新作にして彼らのファースト・アルバムである『DX』、
そしてMain Attrakionzとのコラボ作『808s & Dark Grapes III』。

この2作の制作過程についての話を中心に
自分たちの音楽哲学や、インターネット・ラップのシーンについても語っています。



2013年9月4日水曜日

FactmagのFRIENDZONEインタビューの和訳 (前編)





アメリカの音楽メディアFactmagでのFRIENDZONEの最新インタビューを和訳しました。

元記事は前後編と読み応えのある内容になっており、
ここではそのうち前編を訳しています。

2人の出会い、ノイズ/ハードコア・バンド時代の話、Main Attrakionzとの邂逅、
作品への哲学や、これまでの音楽人生で最も嬉しかった瞬間まで、
熱量の伝わる良いインタビューだと思います。


FRIENDZONEインタビューの和訳



Main attrakionzのプロデュースなどで「Cloud Rap」の旗手としてグイグイ頭角を表した
オークランドのプロデューサー・デュオ、FRIENDZONE。

全米初登場1位で大きく話題となったA$AP Rockyのデビューアルバムでも
印象的な「Fashion killa」をプロデュースしていました・




また彼らは大の親日家としても知られており、

楽曲/アートワークでの数々の岡田有希子サンプリングや、
富山のWebマガジン、SQUIDS magazineクルーとの数々のコラボワークでも知られています。

関連記事:DKXO in LA

       SQUIDS magazineクルーの2013年・上半期の活動 - Carios編 -




そんな彼らが今年2月にアメリカの音楽メディア「Live For The Funk」のインタビューに答えた記事を和訳しました。


主催するコンピレーション『Kuchibiru Network 3』の話題を中心に、
楽曲の制作方法、機材、さまざまなコラボレーションやプロデュースワーク、
日本とマンガ、ゲームへの愛などなど詳しく語っている、読み応えのあるインタビューです。


2013年8月26日月曜日

Lil Texasインタビューの和訳





5月にDonky Pitchからリリースした『Talkin 2 U』が絶賛されたLil Texas
彼が6月にアメリカの音楽メディア「Earmilk」のインタビューに答えた記事を和訳しました。



Lil Texas 『Talkin 2 U』



2013年8月22日木曜日

SQUIDS magazineクルーの2013年・上半期の活動 - Carios ロングインタビュー




富山発のWEBマガジン、SQUIDS magazineのクルーの活発な音楽活動を追う連載です。

今回はCarios編の後編、Carios氏のインタビューです。


ラップ、リリック、その他の活動、SQUIDS magazine、インターネット…
SQUIDS magの編集長でもあるCarios氏のアレコレについてロングインタビューで聞きました!
めっちゃ聞きました。



2013年8月20日火曜日

Spazzkidインタビューの和訳



2013年でも上位に入るであろう素晴らしいアルバム、『Desire/願う』を4月に発表したSpazzkid
また、それから2ヶ月後に発表された『Desire (願う) - R E M I X E S』
リミキサーの人選/仕上がりともに素晴らしく、2度目の驚きを与えてくれました。


ここでは彼が8月上旬にUKの音楽メディアYES/NO MUSICのためにインタビューに答えた記事を日本語に訳しました。
「今の気分でフェイヴァリットソングを選ぶなら?」という質問には、日本人アーティスト2名の名前を挙げています。


2013年8月19日月曜日

SQUIDS magazineクルーの2013年・上半期の活動 - Carios編 -



富山発のWEBマガジン、SQUIDS magazineのクルーの活発な音楽活動を追う連載です。
(以下、記事の文中敬称略ですがご容赦ください)

第3弾はSQUIDS magazineの編集長でもある Carios について前後編でお送りします。

今回の前半は2013年上半期の簡単なディスコグラフィーです
また、Carios & DKXOのユニットとしての活動に関しても改めて簡単にまとめています。


Carios & DKXO (Japnanese officeworker coraborated with FRIENDZONE)

Carios (Left),  DKXO (Right)




1. Local Distance

Carios and his friend DKXO live in small town in Toyama, snowy side of Japan. and they Collaborated with rising producer team FRIENDZONE, and make some songs together. but, they are not rapper. Ordinally company employees, even now.

2013年8月17日土曜日

DJ PAYPALインタビューの和訳その2 (短め)

DJ Paypal is that dude whose name you see on the internet and roll your eyes,  then after a while you laugh.
Eventually you hear an insane happy hardcore remix on Rinse.FM
and say, "Whoa, someone give me a track ID!"and the answer is DJ Paypal
and you say, "That dude? From the internet? Wow his tunes are good. Where can I find more?" 
And that's pretty much all we know about DJ Paypal.

もしインターネットで”DJ Paypalなんてふざけた名前を見たら、君は馬鹿にするだろう。だけど君があるときRinse. FMを聴いていて、最高のハッピーハードコアのリミックスが流れてきたとする。「ウワーやばい!これ誰の何て曲?」と君は叫ぶだろう。それがDJ paypalの曲だ。君はこう続ける。「これがDJ Paypalなの?やばい、他の曲はどこで聴けるの?」

以下がThump (米音楽メディア)がDJ Paypalについて現在知ってる全てだ。


2013年8月16日金曜日

DJ PAYPALインタビューの和訳




DJ Paypalとそのクルー


How’s it going, Mr. Paypal?


こんにちは、DJ Paypal。調子はどう?

“Oh man, not good. Lil B just got removed from the grammy’s competition to play the grammy’s. A terrible day for basedworld. How are you?”

「あー…今日は良くないね。Lil Bがグラミー授賞式でのライブを賭けたコンペに落選した、って知らせが届いたんだ。(*訳注 :このインタビューは2013年2月に行われたものです)”Based” な仲間たちは皆ショックを受けてる。そっちはどう?」

 Well a little sad after that news but generally pretty hot (it’s about 45 degrees in Sydney today). 

それは悲しいニュースだね…。こっちはめちゃくちゃ暑い日だよ(シドニーは摂氏45度ぐらいあるんじゃないかと思うよ)。

 “It’s cold here! (I can’t say where).

「こっちは寒いぐらいだよ!(僕がどこに住んでるかは教えられないけど)」


Well, there goes our first question! You’re anonymous as well? 

オーケイ、じゃあ最初の質問だ!君はずっと完璧に匿名でいくの?

2013年8月11日日曜日

Kid HNRK Interview


interview with Kid HNRK !

Most known for producing work of  lil B.





This is first interview of German producer Kid HNRK.

Most Known for his Producing work of some Lil B' s Song.

He talks about collaboration with Lil B,his favorite Producer, 

his love for Japanese music... (Japanese female rappar NOPPAL rappin' on his beat)
and More things !


Lil Bの楽曲のプロデュースで知られるドイツのプロデューサー、
Kid HNRKに、本人にとっても世界初となるインタビューを敢行しました。

Lil Bと仕事をするようになった経緯、
影響を受けたプロデューサー、
彼のビートでラップした日本人フィメールラッパーNOPPALのこと、
お気に入りの日本人アーティスト…
現在20歳の彼が、自分のサウンドと様々な事柄について語ってくれています。


SQUIDS magazineクルーの2013年・上半期の活動 - NOPPAL編 -






富山発のWebマガジン、SQUIDS magazineそのクルーの面々の2013年上半期の活発な音楽活動を追う連載です。(以下の文中敬称略ですがご容赦ください)

ということで前回の第1回(DKXO編)に続いて、この第2回でフィーチャーするのは、SQUIDS magazinが誇るフィメールラッパー、

NOPPAL



2013年8月7日水曜日

SQUIDS magazineクルーの2013年・上半期の活動 -DKXO編-





富山を拠点とするWebマガジン、SQUIDS Magazine2013年上半期はCarios & DKXOフィメールラッパーNOPPALDJ mix「夜まで待って」を発表したbo_buそしてSQUIDS mag福岡支部メンバーである徳利音楽面での様々な活動が目立ちました。

(以下も文中敬称略ですがご容赦ください)

(富山のタウン情報誌「TJ」に掲載されたSQUIDS magインタビュー)


そんなSQUIDS magの面々のクルーとしての姿がわかりやすいのは、やはり年始に発表されたポッセカット「こちらSQUIDSmagazine編集部」





ここでのヴァースの順番はDKXO→NOPPAL→NEON→ZNEE→CARIOS→徳利
この順番に紹介していくのがわかりやすいかと思うのでそうします。
まずは1番手、


DKXO





2013年5月12日日曜日

tofubeatsの隠れた名曲「KAGE」と「徳利からの手紙」




tofubeatsの記念すべき初アルバム『lost decade』

iTunes tofubeats 「lost decade」


そして、そのアウトテイク集として発表された『lost decade (outtakes)』

このアウトテイク集に収録された「KAGE demo」アルバム本編収録曲にも負けない名曲でした。

しかしこの曲について触れるならば、
まずこの曲が生まれるインスパイア源となったエピソードについて書かなければなりません。


時系列で見ていくと


それは半年ほど前、tofubeatsの盟友であるオカダダのツイートで言及されていました。


この「いい話」というのは徳利(@leetok)さんがツイートした過去のエピソード。
その元ツイートは現在、見られなくなっていますが、それらツイートを凝縮した「徳利からの手紙」という楽曲内のリリックとしてそのまま聴くことができます。

leetok  「徳利からの手紙」



0:12からの、「中学受験で…」から始まるエピソード。

ここでは「徳利からの手紙」については(語りだすと絶対長くなるので)置いておきますが、
もしこの曲を聴いたことが無ければぜひ一度、聴いていただきたい名曲です。(現在もこちらのリンクからフリーダウンロードが可能です)


続くこのツイートに貼られていたのは、まさにその時のtofubeatsとオカダダのSkypeでのチャットのスクリーンショット。
 


そして

ここまでが2012年10月のやりとり。

このやり取りはここで一旦終了しますが、


この後tofubeatsが(上記の楽曲とはまた別に)自身のサウンドクラウドにて
「徳利からの手紙」をリミックスしたものを発表。

tofubeats 「徳利からの手紙(social distance mix) tofubeats remix」

(フリーダウンロード可)


冒頭から、まさにあの思い出の話がtofubeatsのEDITによりスウィートな記憶として改竄され、

ドリーミーなシンセとともにリピートされます。「楽曲のリミックス」という概念を超えて、1人の人間の過去の思い出を書き換えてしまった、これもまた優しい良リミックスでした。

(ちなみにこれ↓は同曲の「人生の改竄」のまた別の一例)

Decayxodus a.k.a DKXO 「徳利からの手紙 ~GANJA REMIX~」
フリーダウンロードLINKあり)

  



それから半年の時が経ち


そうこうしてる間に時は流れ、2013年4月、晴れてtofueatsの初アルバム「Lost Decade」の発売直前。Twitterなどでの期待も最高潮に高まっていたそのとき、なんとtofubeatsが急遽アルバムのアウトテイク集をname your priceにて公開。その7曲入りアウトテイク集『Lost Decade Outtakes』の、最終曲として収録されていたのが「KAGE」でした。

そしてこの発表直後、オカダダがしたのがこのツイート。


2012年10月のやりとりで言及されていた楽曲がまさにこの「KAGE」なのです。
ここまでのエピソードを踏まえて、改めて「KAGE」の視聴リンクを。
【歌詞】

悲しい時や嬉しい時をかみしめてつい縛られちゃうね心の中をのぞきみられてドキリとしたけど何もない
出て行くときに目を見て言った暗くなる前には 帰るよ
ああ 君がここにいるはずなどないけどまだ影を探すああ もう誰も君のこと思い出せないけど影はうつる
悲しい時や嬉しい時も過ぎてしまえば 思い出だけど覚えてたこと 全部忘て最後は何も残らない
ふとしたことで誰かのことを悲しませても いつかは 許すよ
ああ 君がここにいるはずなどないけどまだ影を探すああ もう誰も君のこと知らないけど 僕は覚えているよ
ああ 雨が降るああ 君の手を
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

クリック音のように「カッ、カッ」とだけ鳴るスネア、
エレピのシンプルなコード弾き、そして薄くオートチューンがかけられたtofubeats自身の歌。弾き語りのような音像で始まります。Bメロに入るとコードに低音鍵の響きが加わります。足元を踏みしめて、一歩踏み出す決意をしたかのように。少しだけ緊張して、心臓の鼓動が速まっていく、あのときの感じ。そしてそこから、コード進行もドラマチックに動き始めます。

なぜ本編アルバム「Lost Decade」に収録されなかったか
不思議に思うような名曲。




アウトテイク集の最終曲である「KAGE」の存在


ここからは憶測なのですが

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tofubeats自身はアルバムについてのインタビューで各媒体で

アルバム」というパッケージ、体裁にこだわったと語っています。
“SO WHAT!?”を作った理由としては、17曲目の“SO WHAT!?(EXTENDED FULL POWER DIGITAL MIX!!)”を入れたくて。実はそこ起点で作り始めたんです。
――これが最後に入ってるの、いいですよね。これが“LOST DECADE”の後に始まると、すごくボーナストラック感がある。 
tofubeats そうなんですよ。僕としては、それでJ-POP感みたいなのを表現してる(笑)。ボーナストラックみたいな曲って、今だったら別で出したりsoundcloudにアップしたらいいじゃないですか? それをあえて入れることによって急激に僕の中でアルバム感が出る。そういうのに憧れがあって。やっぱアルバムでやれることって意外にそういうことじゃないですか? “LOST DECADE”でめちゃくちゃきれいに終わるのに、ボートラを入れてしまうと、急に全部が軽薄になるんですよ。それがすごいよくて。
(引用:「NEXUS アーティストインタビュー tofubeats」) 
ボーナストラックの扱いも含めて、これだけアルバムというパッケージにこだわったtofubeatsが、
発売と同日にアウトテイク集をリリースし、その聴かれ方に意味を持たせていないとは思えません。少し前まで、まだシングル文化が華やかだった頃では、雑誌などでのミュージシャンのインタビューで

-なんでこんないい曲をシングルにせんかったん?
「いや、この曲はB面でこそ映える曲やと思ったから」
という発言が時折見られたものでしたが、B面で輝いてファンの記憶にいつまでも残る楽曲、そういった役割を、最終曲として収録された「KAGE」に持たせたのではないでしょうか。

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最後の部分は邪推かもしれませんが、この「KAGE」が素晴らしい曲であることには変わりありません。

Bandcampではname your price(ご自由に値段を決めてください)でリリースされていますので、
ぜひ一度、できればアルバム本編「lost decade」(こちらもフル視聴できます)と
合わせて聴いてみてください。


(Bandcampの使い方に馴染みが無い人には、
tofubeats自身がわかりやすく書いたダウンロードの仕方もありますのでぜひ読んでみてください)

iTunes tofubeats 「lost deacde」





追記

2013/5/13の徳利さんのツイートを追加しました。




2013年4月20日土曜日

Contact Lensのアルバム『MEDIAFIRE KINGDOM』



「Vaporwave」は、玉石混交、というよりはほとんどがジャンクなので、長続きしません(でした)が、「Vaporwave」のテイストを受け継いだ、ジャンクながらいい音楽も続々誕生しています。
このContact Lensのアルバム『Mediafire Kingdom』もその一つ。

Vaporwaveのタームである意味不明な日本語タイトルこそ無いものの、アーティスト名からも、アルバム名からも、さも適当な匂いがプンプンします。



フリーダウンロード作品として発表された本作は、なんと35曲を収録。さぞかし大長編かと思いきや、ほとんどの曲は展開も少ない、シンプルな1ループ。1分台か、長くても2分台の曲しかありません。


楽曲のトーンも統一されており、ドラムマシンTR-808的なドラムの音色と、アナログな太いシンセの音。
このシンセの音が、何の工夫も無いような音なのですが、太くて気持ち良い音。この音で、シンプルなフレーズを爪弾かれると気持ちよーくて、ダラーと聴いてるうちに、アルバムはすぐに終わってしまいます。

スパイス的に時折挿入される、Vaporwave的な80年代サンプリングもシンセの音とマッチしており、違和感なく溶け込みます。


「音も展開も変化がない」「シンプルかつちょっとダサいフレーズの繰り返し」と、悪い面はいくつも挙げられるのですが、なぜか「それが最高なんじゃん」と言えてしまうアルバム。
「最高の音楽」や「人生の1枚」ではないですが、なぜか憎めない愛嬌があり、気付くとよく聴いていたアルバムでした。

こちらの公式ページの下部「DOWNLOAD HERE =」のリンクからフリーダウンロードできます。