2012年11月16日金曜日
Frindly Ghost
「キープ・クール・フール」さんの
Tumblr ページ「BANDCAMP WONDALAND」で紹介されていたこのアルバム。
LA在住のRob Tildenが1人で全ての楽器をこなすソロ・プロジェクト。
ドリーミーなシンセ遣いが特徴でいかにも宅録なローファイさもいい。
間違いなくメガネをかけているだろう系の音である。
かけてた。
手弾きのシンセが特徴的なこのアルバムにはBandcamp上のインディー作品のセオリー通り、
検索に引っかかりやすいよう関連用語を示したタグがいくつもつけられており、
「chillwave」「Bedroom Pop」といったジャンル名のタグから、
「Flying Lotus」「Julian Casablancas」など、影響を受けたと思しきアーティスト名のタグもある。
本当にフライング・ロータスから影響を受けたのかも怪しいが、「Julian Casablancas」ってあのジュリアン・カサブランカ?
ストロークスの?あんまし関係なくない?
と思ったが、このFrindly Ghost、 Souncloudでは
エレピ弾き語りによるストロークス「Someday」のカヴァーもアップしており、こちらはもう拙さも含め、素人ファンっぽさ爆発。
好きなんですね。
他にWilcoの名曲「Ashes of American Flags」のカヴァーなどもあり、
こちらはスライドギターとオルガンが効いて、いい感じのカントリーっぽさ。
ジャケ画像ちょっとイラッとしますね。
上記2つのカヴァーのようにわりとアコースティックな質感の曲も多いのだが、
このFrindly Ghostというアーティストの音楽で特に印象に残るのはやはりシンセの音。それも結構、適当くさい音色である。
プリセット音色とまでは言わないが、あれっこれわりと適当に音決めちゃったんじゃないか、という感じの。
例えばこの「Summer Snow」などはイントロのコーラスからポップで、ともすれば代表曲ともなりそうな曲だが、
曲中通してずっとフヨンフヨンいってるフェイザーがかったシンセは、なんだかとっても適当な感じがする。
なんだろうな、ギターとかは結構いい感じの繊細なディレイかかってたりしたのに。
そんな感じでちょっとよくわからないFrindly Ghost(服装の方向性も定まっていない気がする)だが、
Bandcampでの1st EPにあたる、2011年クリスマスに発表した『No Sleep In The City』は
冒頭のアルバム「Friendly Ghost」と同趣向の、悪くない宅録ベッドルーム・ポップ。
まとまった作品としてはこのドリーミー路線で行くようだ。
ジャケットもこのオシャレな感じの方がいいのではないだろうか、と思うが、
アルバム『Friendly Ghost』の冴えない手書きジャケットが目にとまり、結局この記事を書くまでに至っているので、
あえて冴えない路線で個性を推していくべきなのかもしれない。
少なくともこの記事を書き終えてしばらくは、このアーティスト写真が焼きついて離れなさそうである。