東京・埼玉を中心に活動するKOITAMAさんというアーティストがいます。
「ラッパー」とか「DJ」でなく、「アーティスト」と何だかボンヤリした言い方になってしまうのは、KOITAMAさんの多岐にわたる制作活動を一言で表すのがなかなか難しいからです。
人によっては、KOITAMAさんのことを個性的な「ラッパー」として知っているでしょうし、また別の人は、MPC色の強い太い鳴りのヒップホップを作る「ビートメイカー」だと認識しているかもしれません。
あるいは、韓国や東南アジア、チリやフィンランドまで、各国ご当地のヒップホップをMIXする「DJ」として記憶している人もいると思います。
あるいは、韓国や東南アジア、チリやフィンランドまで、各国ご当地のヒップホップをMIXする「DJ」として記憶している人もいると思います。
このPVは北陸を代表する名瀑、
富山県の“称名滝”で撮影されています
・1st EPではほぼ全曲のビートを自ら制作している
・世界各国のご当地音楽をつなぐオンリーMIXも多数発表
など、ラッパー以外にも様々な顔を持っていることがわかってきて、「この人、いったい何なんだろう…?」と、どんどん気になる存在となっていきました。
そんな風に一見、全貌が掴みにくいKOITAMAさんの活動は、実はご自身のサイトKOITAMA.COMにて詳しく纏められているのですが、今回はそのディスコグラフィーからここでもいくつか抜粋してご紹介したいと思います。
(画像をクリックすると、KOITAMA.COMの作品紹介ページへ飛びます。各作品の試聴はもちろん、ダウンロードリンクやPVもまとまっているので是非チェックしてみてください)
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ラッパーとしてのまとまった作品
2013年の1月に発表した、自身初のEP。
本作以降は他のビートメイカーとのコラボも多いですが、ここでは1曲を除いたほぼ全曲で自身がビートを制作。このEPを聴くと、自作トラックでの作品集もまた聴かせてほしいと思います。
10曲目「Loneliness」の朴訥とした情念が素晴らしいです。
本作以降は他のビートメイカーとのコラボも多いですが、ここでは1曲を除いたほぼ全曲で自身がビートを制作。このEPを聴くと、自作トラックでの作品集もまた聴かせてほしいと思います。
10曲目「Loneliness」の朴訥とした情念が素晴らしいです。
ビートが異なる2バージョンを収録した「Party People」のカタカナ英語的な発音が強く耳に残ります。レコード屋巡りの情景描写に、この後の作品でも登場する“高橋くん”との思い出を挟みこんだ「ディスクユニオン」も印象的。
大阪のビートメイカー/DJのchop the onion氏とのコラボ作。
メロウな表題曲でのフックや、モタるドラムとホーンもかっこいい「Avocado Burger」のリリックなど、Twitterでも時折コピペされるパンチラインを多く含む作品。また最終曲では再び“高橋くん”が登場。
ビートは自作の2曲の他、音墨さん・Psychic Gangstaさん・yung new sweatshirtさんなど。またラップでは森光光子さん・MCビル風さんと、多彩なゲストを迎えています。EP本編には収録されていませんが、「Internet」のcariosさんによるリミックスも。
ここまでで何だかもう結構長く書いてしまったので少し駆け足でいきますが、続いてビートメイカー/DJとしての活動も見て行きましょう。
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ビートメイカー/DJとしての作品
自身の楽曲でのMPC色の強いヒップホップ的な鳴りのビートの他、レーベル“術ノ穴”のコンピレーションに収録のTomobitchさんの「SOS FROM SNS」ではメロウなシンセループが美しいビートを提供。
また、Tomobitchさんは今年4月に3曲入りのフリーダウンロードEPを発表しており、ここでもKOITAMAさんが全曲のプロデュースを務めています。
そしてDJとしての活動では、チリやフィンランド、韓国・東南アジア、はたまたブラジルなど、世界各国さまざまな国のヒップホップのオンリーMIXを制作。
他にも日本と韓国・それぞれの90年代POPSのオンリーMIXなど、さまざまなテーマで聴き応えあるDJ MIXを発表しています。
こうしたいろんな国のヒップホップやポップスを並行して掘っていく感覚は、KOITAMAさんの2014年BEST10のバラエティ豊かなラインナップにも表れているように思います。
また同ブログでは、シンガポールやタイを訪れた際の旅行記と合わせ、現地でのレコード屋巡りの様子も。
また同ブログでは、シンガポールやタイを訪れた際の旅行記と合わせ、現地でのレコード屋巡りの様子も。
あんなにいろんな国のご当地音楽のDJ MIXをどうやって…、と不思議に思っていましたが、このようなブログ記事はそうしたMIX制作の裏側のようで、楽しく読めます。
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さてさて、ここまで読んでいただけた方はKOITAMAさんという人がわかったような、いやよりわからなくなったような、不思議な感覚だと思います。
それではご本人にお話を聞いてみましょう!ということで、KOITAMAさんにインタビューをさせていただきました!
音楽にのめり込むようになったキッカケから、ラップでの独自の発音、ビートメイキングやDJのこと、そして“高橋くん”のことまで、いろいろとお話を伺っています。
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KOITAMAさん インタビュー
Q1. 初めにご自身について、簡単な自己紹介をお願いします。
群馬出身、埼玉在住、
Q2. 音楽を好きになったきっかけを教えてください。
きっかけは小学2年生のとき、
Q3. その後の音楽遍歴を教えてください。
中学生の頃は吹奏楽部に入りつつ、ビートルズとかレッドツェッペリンとか洋楽のロックを聴いていま した。
高校生の頃からパンク、ハードコア、ロカビリー、 サイコビリー、ヒップホップなど雑多に聴くようになりました。
その後、地元の後輩にトラックを提供するようになり、 デモテープもいくつか作りました。ブラストのデモテープのコーナーに掲載されたこともあります( 笑)。続けていくうちに自分のイメージと乖離があることに気づき、 ラップも始めました。
Q4. ラップする際のゆっくりと話すようなフロウや、カタカナ英語的な発音は個性的ですが、ラップを始めた初期から独特のスタイルは確立されていたのでし
英語の発音が難しくて自然にそうなりました。潜在的に影響を受けた人はいると思いますが、
カラオケでラップするときはその人になりきりますが…。
Q5. これまでに共にまとまった作品を作ったAIWABEATZさん/SHOT- ARROWさんや、CHOP THE ONIONさん、おひたしアナルさんについて、それぞれコラボレーションに至った経緯などあれば教えてください 。
『PLAYING EP』、『WEEKEND EP』はそれぞれ声をかけてもらって制作しました(感謝!)。
『ACID ANAL EP』はおひたしと遊びながらノリで作りました。
Q6. またラッパー諸氏との共作では、過去に数度コラボしているNICE GUY$や、DKXOさん、森光光子さん・MCビル風さん、cariosさんなど多くのラッパーと共演されていますが、こうした人選はどういう基準で選ばれてたのでしょうか?
『ACID ANAL EP』はおひたしと遊びながらノリで作りました。
Q6. またラッパー諸氏との共作では、過去に数度コラボしているNICE GUY$や、DKXOさん、森光光子さん・MCビル風さん、cariosさんなど多くのラッパーと共演されていますが、こうした人選はどういう基準で選ばれてたのでしょうか?
NICE GUY$から声をかけてもらったり、 AIWABEATZからDKXOくんを紹介してもらったりして制 作しました。
「Internet」
自分のトラックにcariosくんのラップがのったことがすごく
Q7. ほぼ全曲のトラックを自作した『Love Ya Like』 での陰りのあるビートはいかにもMPC的な鳴りですが、ビートメイク作業は全てMPCで完結されているのでしょうか?また、近作では他のビートメイカーとのコラボが多いですが、自作曲中心の作品は今後リリース予定はありますか?
『Love Ya Like』は9割サンプリングなので、AKAI MPC1000でほぼ完結しています。今はAKAI MPC1000でチョップしたり、 ループ組んだり曲の軸を作ってから、Ableton Liveでドラム、ベース、メロディなどを追加しています。
Q8. 『Playing Ep』の「ディスクユニオン」に登場し、その後「Takahashi Kun」という曲もリリースされた"高橋くん"
前述の高橋君のことです。実在の人物かつ、 曲中のシーンも実話です(笑)。高橋君にレコードのことを沢山教えてもらってから世界がひらけま した。
今、高橋君は埼玉県で多目的スペースを運営しつつ、
Q9. また、DJとしての活動についても質問させてください。これまでに多くの韓国音楽MIXをはじめ、東南アジア・チリ・ブラジル・フィンランドなど世界各国・さまざまな国の音楽でDJ MIXを制作されていますが、こうした音楽はどのように調べて掘られているのでしょうか?また、今音楽的に注目している国などありましたら教えて下さい。
9割ネット、1割本で調べています。
「国名 RAP」でYOUTUBE検索して、 気になるアーティストを見つけたら、DISCOGSでリリース状況、LAST FMでその周辺のアーティストを調べます。
音源はiTunes、
気になる国はいろいろありますが、ネットでフィンランドのヒップホップシーンの相関図を見つけたの
Q10. 今までに聴いた音楽から、今の気分でのベスト・アルバムを3枚と、オールタイム・ベストのアルバムを1枚教えて下さい。
今の気分でのベスト・アルバム:
Brian Eno / Music for Airports
Penguin Cafe Orchestra / Music From The Penguin Cafe
タイプライター / 0 (ゼロ)
オールタイム・ベストのアルバム:
Steve Reich / Music for 18 Musicians
全曲自作トラックのアルバムをとにかく早めにリリースしたいです
あと地元の後輩でオモシロイ奴がいて、そいつのアルバムを作ってツイッターのタイムラインに放り投げた いです(笑)。
普段インターネットもライブもやらない奴なんですけど、黙々とレコードを買ったり、 フリースタイルをしたりしてるんですよ。インストを10曲作って渡してから、 もう2年経っても進んでいないので、実現不可能かもですが…。
いろいろやりたいことはありますが、コツコツやります。^^
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はい!というわけでインタビューさせていただきました。
このインタビュー以外でも、上でも引用させていただいたHi-Hi-Whoopeeでの萩原アズサさんの記事や、韓国ヒップホップ情報サイトHIPHOP [K]ONVEYで行われた韓国ヒップホップについてのインタビューなどもすごくおもしろいので、ぜひ読んでみてください!
今回スペース的に取り上げきれなかった他の楽曲も様々なコラボを含む良い曲いっぱいですし、今後もKOITAMAさんはコンスタントに作品を発表されると思います。